2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

逃走とリベンジ

数年前の天皇賞で一番人気に推されたローエングリーンは、 暴走と呼べるような逃走を図り失速した。 中山記念はその時依頼の後藤が手綱を取り、 見事な逃げ切り勝ち。 ファンはもとよりオーナー、調教師の逆鱗に触れ、 お手馬を外された積年の思いが込み上げ…

March comes in like a Rion

三月は待ち焦がれた春へと向かう季節。 時折、強い風がせっかく咲いた淡い蕾を散らし、 今来た道に押し戻そうとしても、 人は目頭を拭きながら、その先の道を行くだろう。 氷の季節から花の季節への変り目には嵐のような三月がある。 それをシェークスピアは…

彼岸先生

島田雅彦は現代では珍しい作家らしい作家だと思う。 いつでも嫌味なところが秀逸だ。 細かいところだがロシア語を専攻した人らしく、 ウオッカをウオトカと表記するところも、 なんか良い。 以前テレビのドキュメンタリーでロシアに行った彼は、 最後の語り…

涙腺ゆるむも

歳をとると涙腺がゆるむとよく聞く。 けれどもあらゆるものがゆるんでいくわけで、 涙腺だけ例外とはゆくまい。 涙を流すからといって弱いのではない。 泣かないからといって強いのでもない。 そんなことは百も承知だ。 若い頃は別れるといっては怒鳴り、 別…

春一番

七に二をたしゃ九になるが 九になりゃまだまだいいほうで 四に四をたしても苦になって 夢は夜ひらく 初雪より早く春一番が吹いた。 うめもさくらも生き急ぐように咲きはじめ、 恋も受験生も散り急ぐ。 そんな折、東京はやけっぱちなマラソン大会。 銀座、浅…

多聞天

火の用心の掛け声ひびく、 朧の月は浅い眠り。 夜詣の神楽坂は人恋し。 赤城神社から松明燃ゆ毘沙門天を追い抜けて、 遠ざかる声はかがり火。 すべてを聞き入れる知恵者である多聞天でさえ、 不浄な私の願いを聞く耳は持たず。 だから神様なんてキライなのだ…

球春

春隣背中合はせに空眺め 黛まどか 球春なのである。 シーズンが始まってしまえば、どうとない日常なのだけれど、 春の匂いにむくむくと顔を出す土筆のように心は躍る。 ここまで堕ちてしまったジャイアンツを今更見限る筋もなく、 むしろ浮動票がごっそり抜…

兼愛・非攻

墨子の思想は「兼愛・非攻」。 つまり、博愛主義と専守防衛(他国への侵略を行わず、 他国からの侵略には断固抵抗する)である。 春秋戦国期には儒教の孔子と二分する力を持っていたが、 始皇帝の中国統一後に衰退してまう。 墨子にはその思想を継ぐ墨家とい…

京都議定書の夜は更けて

地球温暖化の恩恵で華やいだ夜の町にくりだすぼくらは、 今夜もケムリのような二酸化炭素を漫然と吐き続けている。 汗が滴るから、鍋はいりません。 あっ、お酒は熱燗じゃなく、冷やで頂戴な。 大量のメタンガスを放出する牛さんは残らず丸焼きにしてしまい…