2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

宮崎牧水牧歌旅情

幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく 若山牧水の郷里は宮崎日向に出張。 空港に降り立ち、延々と国道を辿る。 暮れなずむ夕陽の中、鮎釣り人の影見つつ耳川を遡る。 深まる山陰、沈む太陽。 「人生は旅である、我等は忽然として無窮より生…

トンボロ

肩の先にふれた天使の羽根を振り解くように、 二人は滑稽に生きてきた。 人生の折り返し地点を過ぎた今、 胸のうちを去来するのは、 だだっ広い砂浜に打ち上げられた空瓶のような殺伐とした思いだ。 艀打つ波が荒い息を吐いている。 中台は久しぶりの休暇に…

October

抜けたフォークをあっさりと打ち上げてゲームが終わる。 壁づたいに漏れるため息めいた歓声を聞いても、 芝海の手はバットを振り続けていた。 コーチの柳沼が顔を出し、「しまいや」と言って去って行った。 その後をバットケースを鳴らした一団が足早に通り…

夜霧のロッカー

♪夜更けの街に うるむ夜霧よ 知っているのか 別れの辛さ いつか二人で つかむ幸せ 祈っておくれ 夜霧 夜霧 僕等はいつも そっと言うのさ 夜霧よ 今夜も ありがとう 白茶けた夜に聴くナンバー。 酒はやっぱり灘の辛口。 おいらはロッカーだけど、こんな日は別…