2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

十三夜奇想譚

萩の花、尾花、葛花、なでしこの花、おみなへし、また藤袴、あさがほの花 今宵は十三夜。 縁側にしつらえた月見の台に秋の七草を飾り、 月見団子を三宝に並べ、里芋、栗などの野菜を皿に盛り、 御酒を供えれば準備オッケー。 あとは夜空が澄み渡り、満月が顔…

九月の四分の一

九月の四分の一作者: 大崎善生出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 153回この商品を含むブログ (33件) を見る 九月は疲弊する月だ。 火照った身体から熱が抜けていくように、 勇気がしぼんで、 しわしわの御婆さんみ…

センシティブワールド

破れた傘を修理に出そうと奥まった路地の先を通り抜け向かった先は袋小路、 古い民家に突きあたり今にも朽ちかけそうな店構えの暖簾をくぐる。 白いプードルがキャンと吠えてお出迎え何故にプードルなのか 目を白黒させる私の無意識下の延長線上に吊るされた…

ソネット

立原はおしゃれだった。 プラーグ製のネクタイだといって見せたり、 その服装でよく音楽会に行った。 彼は命を縮めても、しゃれた生活と文学とを欲求したであろう。 七月になり窓の外がニッコウキスゲの山吹色で覆われると、 ようやく高原のサナトリウムにも…