気分爽快

巨人優勝！
その道程は長く果てしなかった。
思えば苦節五年、他チームファンから「ボケッ、巨人ファン！」「まだファン続けんの？」など、
容赦のないお言葉で罵倒される日々。
町を歩けばタイガースの野球帽をかぶった知性のないガキンチョから、
竹やりで突かれることもしばしばだった。
キャバクラに行ってもねえちゃんに決してジャイアンツファンと悟られぬよう、
「やっぱりバニーちゃんより豹柄だよねぇ〜ん」と媚てしまい口説くどころではなかった。
そうした辛く哀しい呪縛から、今ようやく開放される時が来た。
光射す、転生の瞬間。
もう、ガキンチョにもキャバ嬢にも実力を行使できる私なのだ。
なんなら優越感いっぱいのソフトスマイルを浮かべてやってもよい。
それぐらい寛大な私が、今あるのだ。
昨夜も祝勝に湧く私の前にめざわりなドラゴンズファンが路上にうちひがれ泣きじゃくっていたので、
「死ぬまで手羽先食ってろ！」と一喝して足蹴にしてやったフフン。
さらに今日のランチでは岡田みたいな顔をしたホモ阪神ファンが尊大にも東京で串かつを食っていたので、
「そんなにソースが大事か貴重かエラインカイ！」と一本分のソースを塗りたくってやったフフノフンフン。
あーっ、気分爽快だぬ〜ん。