元住吉止り

hajimechan2008-06-06




煮え切らないオレと、ろくでもないダービー。
こんな日はむかしの町に戻って、
馴染みの焼鳥屋で一杯やりたい。
白木のテーブルに肩肘つき、
冷奴の生姜をつまんでビール。
立ちこもる炭火のけむりとガヤガヤ声。
こんなものさ人生なんて。
一本90円の焼き鳥にも人生の味がする。
府中の直線みたいなブレーメン通りを抜けていこう。
家路を急ぐ勤め人たち。
みんなうだつの上がらない輩ばかりじゃないか。
さびしいのはお前だけじゃない。
バアさんの鋭い眼光が茜空を突き刺すマジックアワー。
ああ、贔屓にしていたワイン屋だ。
ほんのり甘いドイツワインを小脇に抱えて帰ろう。
ゴルフの打ちっぱなしでは今夜もいけすかない野郎が
自分の胸に空いた風穴に向けてロストボールを叩いている。
法政二高の野球部員たちの日焼けした顔をすり抜けて、
なんだかんだいっても青春。
振り向けば火ともし頃、赤々と焼ゆる。
夢のつづきよ、元住吉止り。