フジキセキの逆襲
フジキセキ産駒というと、天下のサンデーサイレンス系でありながら、「どうもなんかたよりないのよね」、「重賞では消しなのよね」の象徴みたいな存在だった。が、しかし、G1フェブラリーを勝ったカネヒキリを筆頭に、クイーンCのコイウタ、東京新聞杯のフジサイレンス、シルクロードSのタマモホットプレイ、きさらぎ賞のドリームパスポートと、なんと重賞四連勝を飾ってしまった。
「どうしたのフジキセキちゃん?」、「のんびり屋のあなたに何が起こったの?」と馬社会の安酒場では、連日この話題でもちきりなのだ。
私自身、いままではフジキセキ産駒を騎手の渡辺と同様邪けんにしてきたが、「甘く見ていた私がオロかだったのだ・・・」と、ひとりカウンターの片隅で杯を傾けながら懺悔している日々なのである。
なんか、足蹴りしていた後輩が突然出世してしまったような、昔別れた愛人に街ですれちがったら、けっこうまだイケルぞ!みたいな、複雑な心境である。
ともかく当分は、"遅れてきたエリート"フジキセキ産駒から目が離せないのだ。
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