クールビズ、オールドデイズ

hajimechan2006-08-16



一頃、夏ともなれば軽井沢・八ヶ岳あたりに涼を求めた。
サマーオイルまみれの海水浴場なんて御免と決めて、
ハチミツの都会を抜けて高原のツンと冷えた空気に触れると、
まさに生き返った心地がしたもの。


もっとも夏のイベントがはねて、
精神状態をクールダウンするというのが本音だった。
我思う故に我あり、吾亦紅、
然るに、どこでもない場所に逃げたかったのだ。


牧場の仔馬をからかい、
ステンドグラスを買い漁るにも飽きて、
草を噛み、ゴロリと寝転がると、
透み切った蒼空が目に沁みた。


日常があるから旅に出るのか、
旅をするために日常があるのか。
されど、あてどない雲はゆっくり流れる。
それもまた自分の姿と合点がつく。


肌寒くなり、サマーセーターを羽織る。
キーをスロットルに戻すように、
休暇は終わるのだろう。
助手席の人はニヤリと笑ってシャッターを切る。
それがこの夏のフォトグラフだと。