赤い蝋燭と人魚

hajimechan2007-11-27




上杉謙信ゆかりの上越高田へ馳せ参じる。
撮影の仕事のため関越・上越道をクルマで駆け抜け4時間。
折りしも風雪の心配もあったが、そんな心配は稀有であった。
山間のPAでジャパンカップをナビTV観戦も画像は乱れ、
ほぼ音声だけ。
なにがなんだか解からぬまま敗戦を知る。
前日ジャパンカップダート3連複をとっているので、
勢いで連勝したかったが、そんなに甘くは無い。
好位につけたアドマイヤ岩田と大事に乗りすぎた武サムソンの差なり。


直江津に出て真蒼な日本海を望む。
フルートのような風が吹いていた。
上越高田は、また日本のアンデルセン小川未明の生誕地でもある。
「赤い蝋燭と人魚」などは遠い昔読んだ記憶があるが、
童話の中の冷たく暗い海はこれかと思いを寄せる。


夜は鮨屋にて土地の肴に舌鼓。
越乃雪月花の透明な甘さに旅人の愁いを洗う。
人魚が描いた赤い蝋燭でお宮にお参りすると船が沈まない。
けれど最後の蝋燭を売ってしまったら、途端に海は嵐になり、
町はすっかり寂れ、ついに滅んでしまったという。


こんこんと夜も深まり明白なのは、
あの真蒼な海も直に荒れ狂うのと同じよに、
我も子もいずれは沈む船の旅人。